日本ブライダル人事部「理念経営への転換」

2013年5月に運営を開始した当社運営施設は、2013年7月末の期末において創業以来過去最低の年間施行組数90組で着地しました。そのAハウスが今年7月末の期末において年間施行組数160組という過去最高の組数で着地しました。たった1年で1バンケットのゲストハウスが、70組の組数UPと売上2億5千万円UPを達成し、さらにスタッフの人数は増員しなかったのもあり変動費以外の大きなコスト増加はなかった為、利益率は大幅に改善することができました。

それまでは来館数も成約数も順調に伸ばし続け、予定通りに業績も回復し、すべてが順風満帆に行っているように思えたのですが、2014年2月、施行シーズンを目前にしたとある日、私はスタッフのある言動をオフィスでみた時、大変な違和感を感じたのです。それは、スタッフが出社してきた際の「おはよう」の一言でした。

いつも元気に僕の目を見てあいさつしてくるスタッフが、伏し目がちで、明らかに低いテンションであいさつして入ってきて、一瞬でオフィスの温度を下げたのです。その瞬間、いつもだったら『おい!やり直し!』と注意するのですが、その時ばかりは、スタッフのメンタルの変化に気づかなかった自分を反省すると同時に、『ヤバい!』と感じました。

というのも、2013年1月・2月はブライダル商戦で1か月約80組の来館を、たった4人のスタッフで接客し、中でも新規の中心メンバーは1か月で34組もの接客をこなしており、さらに、目の前に迫る施行シーズン3月19組 4月21組 5月19組 6月18組という過去に一度も体験したことのない未知の施行組数の打ち合わせ業務も重なり、メンバー一人一人のメンタルコンディションは最悪の状態であること、そして企業の成長と安定の為に最も重要な事がなんなのかを、この時初めて気づきました。

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「経営理念/行動指針は、個人に内省の基準を提供し、自律的な判断を行う礎となります。また、みんなが共通の理念で結びついている、と感じることで、自社への帰属意識や誇りにつながります。さらに、組織レベルで見れば、共通の考え方、帰属意識を各個人がもっていることで、立場や距離を超えた協働や、知識の移転が可能になると共に、行動を管理するための仕組みを精緻に作り込む必要性が軽減される、という機能があります。これらはいずれも、「組織」のマネジメントに関わるものです。特に、グローバル化のなかで多様かつ変化の激しいブライダルマーケットに直面する企業・施設にとっては、個別の現場での自律的対応を促進しつつ、組織間の協働、求心力を保つことは、今後のブライダル業界にとって非常に重要であると考えております。「環境」の面から見れば、経営理念に即した行動・判断が、地域や機能を超えて一貫して行われることで、独自性や顧客価値の創出につながるという点も挙げられます。就労人口が減少していく未来、ブライダル業界にとって『組織人事の環境整備』こそ、勝ち抜くためのエッセンスになるでしょう。

それを踏まえ、私たちはには、会社の企業理念と行動指針を明記した「VALUES BOOK」という一冊のBOOKを肌身離さず持ち歩いています。

その冒頭に、こんな一文が書いてあります。

「進化してる?」

この言葉の根底には「一人ひとりの成長なくして、企業の成長なし」という考えがあり、新入社員から支配人まですべてのスタッフが、日々「自分自身の進化」を自問自答しています。「成長意欲」を何よりも大切にすると共に、「出る杭は叩かず、引き抜く」というのが、私たちの企業文化と言えるかもしれません。

その他にも、「VALUES BOOK」には仕事と人生を幸せにするためのメッセージがたくさん込められています。その一部をご紹介します。

【最強の宴会部長】
「右手で先導し、左手で気を配れば、人に慕われ、思うままに人は動く。両手で正確機敏にタクトを操り、最高の宴を創る指揮者になれ!」
結婚式という人生最高の舞台を創る会社だからこそ、「いつでもリーダーシップを発揮するエンターテイナーであれ」というメッセージを込めています。

【イケてるミーハー】
「流行のアンテナ感度を磨き上げ、お客様の一歩先を行かねば明日はない。流行に乗るだけなら誰にでもできる。流行を創り出せる人になれ!」一流の仕事人は、いつでもマーケットリーダーであるべきだと考えています。

【ワガママのチカラ】
「好きなこと、やりたいことは、あなたを限界の先に導くチカラ。いつでも素直に、まっすぐに、我が儘を有言実行する人であれ!」
私たちが採用したいのは、「生意気だなぁ」と思わせてくれる人です。我が儘というのは、「自分の想いに正直なこと」であり、そうあってこそ人間は本当の力を発揮できると思っています。

【モテリーダー】
「遊び方を知らない人に魅力はない。お客様にも仲間にも好かれるモテ人間のリーダーを目指し、遊びに学び、仕事で遊べ!」私たちは、遊ばずに仕事しかしない人が好きではありません。トレンドを知ることも、トレンドを創ることも、遊びに学ぶことから始まるものだと思うのです。

【一流に染まれ】
「二流や三流しか知らない人が、一流の価値を生み出すことはない。一流の人、モノ、場所、文化を知ってこそ、お客様に一流の価値を提供できる」。百聞は一見にしかず。一流の価値を知らずしてこの仕事は務まりませんので、一流を体験・勉強するためのサポートも積極的に行っています。